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201209/24

グランドセイコーは第三の心臓を手に入れた


「スプリングドライブ。もっとも進化したぜんまい駆動。」
機械式時計と同じようにぜんまいのほどける力を動力源とし、水晶振動子によって、精度を制御する。電池も充電池も使わずに、クオーツ式と同等の高精度を達成する。このアイディアを実現するために、二十年以上の時間が必要だった。たとえば、極限まで要求された歯車の加工精度をはじめ、エネルギーの伝達効率を徹底的に追求することではじめて、当初は不可能とされていた技術的なハードルをクリアすることに成功したのだ。
「大胆不敵。」
このスプリングドライブのために開発されたのは「トライシンクロ・レギュレーター」と名付けられた調速機構。ぜんまいで駆動する機械式時計の精度を上げるために、昔からさまざまな仕組みが考案されてきた。しかし、その系譜の中で、もっとも革新的で大胆な発想から生まれたのが、水晶振動子を使うスプリングドライブのトライシンクロ・レギュレーターと言えるだろう。
「72時間。」
グランドセイコーのために生まれた9R自動巻スプリングドライブムーブメントは、精度だけでなく、抜群の巻き上げ効果も誇る。世界の名だたる自動巻の機械式ムーブメントにもひけをとらないどころか、それらを凌ぐ能力で、72時間駆動するためのエネルギーをぜんまいに蓄えることができるのだ。ムーブメントの開発からそれらを構成するパーツの製造まで自ら手がけるマニュファクチュールでなければ、実現できないことがある。
「独創の機構。」
香箱(こうばこ)という名のケースに収められた、ぜんまいを動力源として、歯車から歯車に力を伝え、針を回転させるという点では、機械式と全く同じだが、機械式時計には「がんぎ車」「アンクル」「てんぷ」という脱進、調速機構がある。 一方、スプリングドライブは、7番目の 車にあたるローターが1秒間に8回転し、そこで発生するごくわずかな電気エネルギーで水晶振動子を発振動させ、高精度を実現する。
「究極の滑らかさ。」
スプリングドライブの特徴のひとつ、究極のスイープ運針。機械式時計の秒針も1秒を6,8,10などに細かく分割して刻むが、スプリングドライブの秒針の動きの滑らかさはその比ではない。自然の時間を「刻む」のではなく、時間の「流れ」をそのままに表現する。他の機構とは一線を画すスプリングドライブ独自の個性と言える。
「グランドセイコー」日本にはいい時計がある。
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