西原シティ店で取扱いのセイコーアストロン
■「世界のどこでも正確な時計」を実現したコア技術 <独自開発による超低消費電力のGPSモジュール> 時計が現在地を確認し、常に正確な時間を表示するためには上空約2万km
の軌道上にある4基以上のGPS衛星からシグナルを受信する必要があり、受信機能を持たない標準的な腕時計との比較で1000倍から10000倍、標準電波(長波)を受信して時刻修正を行う電波時計との比較では約200倍という膨大なパワーが必要になります。そのためには携帯電話のように定期的に外部からの充電を行い、消費電流に見合う大きな電池を搭載しなければならず、実用性と外観の美しさを同時に求められる腕時計で商品化することは極めて困難でした。
解決の糸口は最もエネルギーを消費する衛星捕捉の「受信時間」を短縮することにありました。時刻修正では最短6秒で受信を行い、受信条件が悪い衛星に対しては過度の追跡を行わず、効率よく処理を行う腕時計用のGPSモジュールを独自に開発し、汎用のGPSモジュールに対し受信時の消費電流が約5分の1となる飛躍的な省パワー化を実現しました。
<新発想で実現したリング型高感度アンテナ> <セイコー アストロン>は地球をステージにアクティブに活躍する人のスタンダードウオッチです。開発当初よりビジネスシーンでの着用を想定し、メタルのケースに装着感を重視したスタイリングを目指しました。ここで課題となったのがアンテナでした。GPSで広く使用されているチップアンテナ、厚みのあるパッチアンテナはそれぞれ、メタルケース内での受信感度不足、大きさの問題があり、腕時計への搭載には、全く新しい発想でアンテナの設計、格納場所の確保が必要となりました。こうしてたどり着いたのが、丸い腕時計ケースの外周部分に格納するリング型の高感度アンテナです。さらにベゼル(縁)部分には傷がつきにくく洗練された輝きをもちながら、電波受信には金属素材に比べ有利な条件となるセラミックス素材を採用し、ダイヤルリングの下にアンテナを配置することで、アンテナの受信感度を最大限に高めることに成功しました。
<低パワーと安定したエネルギー供給を確実にする新電源システム> リチウムイオン電池は小型で軽く蓄えられる電力量が大きいため、携帯電話など多くの小型情報機器で使用されていますが、充電・放電しすぎると壊れやすいという特性があり、電池の早期劣化を招かないよう、電池を保護するためのICが必要です。<セイコーアストロン>では、時計サイズ用の小型サイズの新型リチウムイオン二次電池を採用し、さらに携帯電話用に比べて約1/10のパワーで駆動する新ICを開発しました。
■太陽光検出と受信メモリーにより効率的な自動時刻修正を行うスマートセンサー
エネルギーの残量や、これまでの受信状況を判断して効率的な自動時刻修正を行う機能、「スマートセンサー」を搭載しています。 太陽光などの強い光を検出したとき、原則として1日に1
度、自動時刻修正を行います。
冬季など衣服に隠れる時期や、日照時間が短い地域、天候などにより光に当たりにくい時間が続いたときは、最後に強制時刻修正(またはタイムゾーン修正)に成功した時刻をより条件がよい受信のタイミングとして記憶し、その時刻に自動時刻受信を行います。 エネルギーが十分にある状態であれば毎日受信を行いますが、エネルギー残 量
が少なくなると、自動時刻修正を行う間隔が長くなります。また、充電不足、あるいは機内モード(受信オフ機能)では自動時刻修正は行わないように設定されています。
■宇宙とのリンクを体感する「感性デザイン」 腕時計は実用
> 品であると同時に、ユーザーが長く身につけることで愛着を感じる情緒的な価値をもつ商品です。<セイコーアストロン>の開発にあたっては、テクノロジーを利便性だけでなく感性に訴求することが必要と考えました。GPS衛星捕捉という「見えない」機能を表現するため、<セイコーアストロン>は受信時に、秒針が旋回し、ひとつ、ふたつと、捕捉した衛星の数をリアルタイムで示し、はるか上空を巡るGPS衛星とのリンクをユーザー自身が視覚的に体験することができるようにしました。また、ダイヤルは深遠なる宇宙空間に見立て、立体感を強調する多層構造にするとともに、ダイヤルリング上には放射状に広がるインデックスを配し、宇宙から降り注ぐ光や信号を象徴した造形としました。