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201803/15

BIG 3 三大カラーストーンの魅力とは

 

三大カラーストーンの魅力

 

 

 

宝石 エメラルド サファイア ルビー 三大石

 

 

宝石の王様といえば「ダイヤモンド」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。その輝きの比類なさは美しいだけでなく、鉱物としての耐久性や希少性も兼ね備えているのです。

 

しかし、色石にもダイヤモンドを凌ぐ希少性を持ち、ダイヤモンドとはまた違った魅力を持つものもあります。いわゆる「三大カラーストーン」が有名ですが、その三つに数えられるのは私たちもよく知る宝石です。

 

紅く染まった宝石の中でも抜きん出て美しい「ルビー」、深い蒼に引き込まれるような「サファイア」、そして透明度の高い翠の瑞々しさがこの石固有の「エメラルド」です。まずは赤い宝石ルビーからご紹介。

 

 

【Ruby ルビー】

 

RUBY ルビー カラーストーン

 

・歴史 

 

ルビーはラテン語で赤を意味する「ルベルス」が由来となっており、和名でも「紅玉」と呼ばれています。その赤い色は古代のヨーロッパでは持つ人に勇気を与える石と信じられ、戦へと向かう兵士のお守りでもありました。古代インドでも「宝石の王」という意味の「ラトナラジュ」と呼ばれて崇められていたのです。色石の中でも古い歴史を持つこの宝石は、官能的な味わい深さがありながらも、凛とした表情が人を惹きつけてやまないのです。

 

 

・コランダムって?

 

宝石は鉱物の一種ということで、宝石には宝石名とは別に鉱物名もあるってご存知でしたか?

 

ルビーは鉱物名を「コランダム」とし、純粋な状態であれば無色透明なコランダムが、不純物を取り込んで様々な色味を発色します。「クロム」が所以で赤が発色するコランダムをルビーとしており、それ以外はサファイアとしています。つまりルビーとサファイアは同じ鉱物であるということです。

 

ルビーの価値は色の濃さと密接な関係にあり、「ピジョンブラッド」と呼ばれるものが最高級で、青みのある血のようなワイン色を示します。ルビーの色味が薄過ぎても、反対に濃過ぎても美しさは損なわれるのです。ピンクサファイアとの区別ですが、クロムの量の違いが大きな要因となります。ルビーは0.1%程度、ピンクサファイアはその割合が0.1%以下ほどしか混ざっていないものを指します。この「0.1%程度」という数字が大事で、稀な状況下でしかこの現象は起こらないため、天然ルビーはとても希少性を持っているのです。

 

 

・産出地など

 

ルビーの主な産出地はミャンマーやスリランカ、タイやインドです。

 

どの宝石にも言えることですが、産地によって品質の違いや色味の差があり、先ほど述べた「ピジョン・ブラッド」はミャンマーのモゴックで採れます。ですが、ミャンマーのすべてのルビーが最高級かというとそうではなく、もちろん品質の悪いものも当然あります。購入する際には産地だけで「これはいいもの!」と頭から信じないようにしましょう。

 

性質として、ダイヤモンドに次いで硬度が高く、熱や酸にも強いため保管の際には他の石を傷つけないよう注意を払うことが重要です。また、光が当たると星が現れたかのように見える「アステリズム」効果があることでも知られています。

 

 

 

【Sapphire サファイア】

 

サファイア 宝石 

 

 

・歴史

 

サファイアの語源はルビーと同じくラテン語で、青色を意味する「サッピルス」が由来となっています。和名でも「青玉」と呼ばれ、どこの国でもその青さは誠実で高尚とされていたのです。

 

古代ペルシャでは「大地を支える石」と呼ばれ、実は大きなサファイアにこの世界が載っているのではないか、空の青さはサファイアの色を反射したのではないかと考えられていたほど。12世紀ごろのヨーロッパでは、聖職者や賢者にふさわしい宝石とされ、リングに留めて着けることも多かったと言います。

 

 

・カラーバリエーション

カラーストーン 宝石 色の種類

晴れた日の空のような、どこまでも続く海のような青さがサファイアの特徴ですが、実は先ほど赤以外のコランダムはすべてサファイアといったように、実はカラーバリエーションが豊富な宝石でもあるのです。

 

一般的には青色のものを「サファイア」、そのほかの色のものは「ファンシーカラー」や色名を冠して呼ばれます。また、純粋な状態のコランダム(不純物を含まない透明のもの)はカラーレス、またはホワイトサファイアとしています。

 

カラーで価値の差もあるのですが、最も希少価値が高いとされているのが「パパラチヤ・サファイア」です。コランダムの中でルビー以外に独立した名前を持つものでもあります。ピンクにオレンジがかった色味で、蓮の花のような形容しがたい独特の雰囲気が魅力的。スリランカ産である、という以外色味の明確な基準がないため、購入時には価格に見合った価値があるかどうか見極めることが重要ですね。

 

 

・産出地など

 

ミャンマーやスリランカ、タイやオーストラリアなど、ルビーと同じ産出国もあれば、アメリカや中国など世界中で幅広く採れる宝石でもあります。透明度が高く、黒みがないものが良質とされ、インド産の「コーンフラワー・ブルー」と、パパラチアと同じく「ヤグルマギク」という青い花が由来となっています。しかし、インドのカシミールは現在では採掘が終了しているため、もし高品質のコーンフラワー・ブルーに出会うことができれば、内側から滲み出るような柔らかな青を堪能してみてくださいね。

 

 

【Emerald エメラルド】

 

エメラルド 宝石

 

・歴史

 

ルビーやエメラルドと同じく古代から愛されてきた宝石であり、鉱物名を「ベリル」とし、アクアマリンやモルガナイトと同じグループのエメラルド。

 

古代エジプトではクレオパトラに愛されていたことは知らない人がいないのでは?というほど有名ですね。紀元前から「ヴィーナスに捧げる石」など富と権力の象徴とされ、現在でもその価値は引き継がれています。サンスクリット語で緑の石を意味する「スマラカタ」が語源となっており、和名は「翠玉」です。

 

 

・インクルージョン

 

エメラルド 原石 

 

ベリルの中にクロムやバナジウムを取り込んで緑を発色するエメラルドですが、結晶化の中で宝石内部に傷が多くできてしまう性質を持っているのです。そのため衝撃に弱く、また色味も均一でないため、エンタンスメント処理が行われます。

 

色味を変化させる加熱や含浸などの処理を行うのは、少しでも見栄えをよくして価値を高く見せたいと言った目的で行われますが、それ以外にも処理を行いジュエリーとして使用できる様に強度を高める事の意味を持っています。しかし、エメラルドのこの処理に関しては、内包物が多い性質を考慮し、「あくまでその宝石が持つ本来の魅力を引き出す手助け」という認識から認められているのです。とは言っても、無処理で美しいエメラルドが希少なのはいうまでもありません。

 

 

・産出地など

 

主な産出地はコロンビアやブラジル、タンザニアにロシアです。色に深みがあり、透明度が高いものが良質なエメラルドとされています。

 

特にコロンビアの青さのないクリーンな色味が良質で好まれます。結晶の状態で美しいものは稀で、産出量も年々減少傾向にあるという特徴も。

 

ルビーやサファイアのようにアステリズム効果とは少し異なりますが、光の効果で猫の目のように見える「シャトヤンシー効果」を持つものもあります。また、「トラピッチェ・エメラルド」と言った黒い亀裂とのコントラストが美しいタイプも、エメラルドの奥深さを感じさせてくれますね。

 

宝石はもちろんその石自体の価値も重要ですが、逸話に惹かれるものを感じたり、またパッと目に留まった印象から、抱いていたイメージが変わることもあります。地球が生み出した同じものは一つとない宝石だからこそ、内包物や色の濃淡といった個性も特別感を与えてくれることでしょう。心惹かれるものがあれば、ぜひお気軽に試着してみてくださいね。

 

 

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