「グランドセイコー」メカニカル自動巻その1
「MECHANICAL」
伝統だけでも、先進技術だけでも、この機械式ムーブメントはつくれない。初代グランドセイコーが誕生したとき、その精度についてある基準が設定された。最高の腕時計をつくるために、当時の高精度な高級時計のための国際的な規格と同等の水準を自らに課したのだった。そして現在、グランドセイコーの機械式ムーブメントの開発にあたって「新GS規格」がつくられた。それは初代モデルが挑んだハードルよりも高いハードルだった。
「高精度=複雑な機械?」
グランドセイコーの9Sメカニカルムーブメント。その開発者がめざしたのは「実用的な機械式時計」。つまり特別に気を使わなくても高精度を維持できる機械式時計だった。 それなら、複雑な機械よりもシンプルな構造のほうが有利である。ただし、そのためには、すべての部品の加工精度を徹底的に高める必要があった。それが実現できたのは、時代の進化した機械工学と名人と呼ばれる職人たちの存在があったからだ。
「歯磨きの名人」
部品の加工精度についてひとつ例を挙げれば、それは歯車。限られた力を効率よく伝達するために、深さ100分の6ミリの溝を職人はひとつひとつ丁寧に磨き上げる。気が遠くなるような話だが、これが少しでも狂うと、実用的な高精度は実現できない。
「グランドセイコー」メカニカル自動巻その2に続く
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