シチズンジュエリー「Something Blue」物語 その1
『初めて聞いた母のマリッジストーリー』
交際から5年目のプロポーズ。
結婚するならこの人と思っていた彼だから、うれしくて仕方がなかった。
ただひとつ心配なのは、気難しい父のこと。
彼と付き合っていることは父もしっているけれど、
結婚を前提にちゃんと紹介するのはやっぱり緊張する。
「お父さんになんて言えばいいのかなぁ?」
「お父さんも最初の挨拶は緊張していたわ」
母は懐かしそうに目を細め、自分たちが結婚したときの思い出話をゆっくりと語り始めた。
そんな話を聞くのは初めてのことで、父と母の若い頃の思い出に興味津々になった。
「お母さんの花嫁姿は本当にきれいだったのよ」
わたしが笑うと、母も笑った。
そして、母はふと立ち上がると宝石箱を取り出して
「サムシングフォーって知っている?」と言った。
『マザーグースのおまじない』
「Something old,something new,something borrow、something blue,
and a six pence in her shoe.」
鼻歌を歌うように母が言った。
「それ、なんの歌?」
「これがサムシングフォーよ。花嫁が幸せになれる4つのおまじない、マザーグースに書かれてるの」
母も祖母から教わったらしい。
それから母は、宝石箱を持ってくると、古いブローチを取り出した。
4つのおまじないの初めにある”Something old(何か古いもの)”に、
母は、祖母から譲られたそのブローチをウェディングドレスの胸に飾ったそう。
それは祖父から祖母へ、婚約の記念に贈られたものだそうだ。
「あなたには、これをあげる」
宝石箱の中から取り出したアンティークのネックレスを、母は私の手に載せた。
プロポーズの際に父から贈られた、大切な思い出の品だという。
「ほかの三つは、自分で探してごらん」。母は微笑んでそう言った。
・・・その2へ続く
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